― 蚕玉の帯リメイクは「下ごしらえ」から始まります ―
帯をリメイクするとき、皆さまが目にするのは美しい帯の表側。
けれど、その美しさを保つために、実は表からは見えないところで、とても大切な作業をしています。
それが、帯の裏側の糸を丁寧にカットする作業です。
蚕玉では、まず帯の表面に防水加工を施してから、帯裏の糸を一本一本、丁寧にカットしていきます。

写真をご覧いただくと、その糸の量に驚かれるかもしれません。
何重にも重なった糸は、切っても切っても、その下からまた糸が出てきます。
ひたすら、少しずつ、丁寧に。
これは、とても根気のいる作業です。
けれど、この作業をすることで、余分な糸がなくなり、バッグに仕立てたときに軽く、そして表面もより美しく仕上がります。
もちろん、この作業は完成したバッグからはほとんど見ることができません。
だからこそ、私は大切にしています。

防水加工を先にする理由
もし、帯の表面に防水加工をせず、裏側の糸を極限までカットしてしまうと……
帯の表側から糸がほどけてくることがあります。
せっかくの美しい帯を、長く大切に使っていただくために。
蚕玉では、先に表面を防水加工し、その後に裏側の糸を丁寧にカットする。
この順番にも、理由があります。
防水加工を施すことで、表面の糸ほつれを防ぎながら、帯本来の美しさをできるだけ残していきます。
料理も、帯リメイクも「下ごしらえ」が大切
料理は、完成した一皿だけを見ても、下ごしらえの大変さは分かりません。
野菜を切ったり、出汁をとったり、丁寧に下処理をしたり。
美味しい料理には、見えないところにたくさんの手間があります。
帯のリメイクも同じです。
美しいバッグを作るためには、ミシンをかける前の「下ごしらえ」がとても大切。
表からは見えない糸の一本一本まで丁寧に整える。
それも、帯を大切に次の形へ生まれ変わらせるための、蚕玉のこだわりのひとつです。
「見えないところまで、丁寧に。」
大切な帯だからこそ、
その想いを込めて、今日も一つひとつ仕立てています。

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